松竹梅が行く!!
第6区 Jl.Jaksa
みなさま、ご機嫌うるわしゅうございましょうか。時の流れとは
なんと非情でありましょう。私がお遍路を怠けているうちに梅は本帰国、竹は引退してしまいました。でありまするが、
これでこのジャカルタご当地巡りを打ち切ってしえば、ご先祖様に、この根性なしめっ! と尻をたたかれてしまうのは
火を見るよりも明らか。それゆえ、松は、2代目梅と竹が決定するのを待たずに、この号をしたためているのでございます。
今回のお遍路先は、松と初代竹梅の思い出の場所、ジャランジャクサ。そう、知ってる日本人は知ってるけど、知らない日本人は
ゼッタイ知らない、バックパッカーのたまり場でございます。あ、バックパッカーという言葉自体をご存知ない方もいらっしゃる
かもしれませぬ。バックパッカーとは、通常スーツケース持参で
添乗員・ホテル・食事ぜーんぶ込みで行なわれる海外旅行を、大きなリュックを背負って安宿に泊まり屋台で食しという、
一人ですべてをやっていく個人旅行のスタイルの旅行者のことを申します。古くはヒッピーなどと言われた時代も
ございました。無銭旅行、節約旅行、貧乏旅行などと表現される方もいらっしゃいます。とにかくそんなお金のない
旅行者のたまり場が、各国各都市にあるものなのでございますが、ここジャカルタの場合、ジャクサなのでございます。
実は、松は今でこそまともな仕事人でございますが、18年前ごろまでは、立派なバックパッカーでございました。
3年にわたって渡世を捨て、世界を旅して回ったその数24ヶ国。ま、その中で最も気に入った国に、今こうして
住んでいるわけでございます。
かといって、私がジャクサに行ったの18年前が最後ではないのでございまして、思い起こせば
暴動以前のジャカルタですから、すでに6年ほど前のある日、由緒正しきの駐在員妻であった竹と梅が、突然、
「ジャクサちゅうところに行ってみてぇ〜」と、言い出しました。バックパッカーの性質として、自分の経験を
ひけらかすことに最高の喜びを感じる松は、うれしさのあまり、「いいよ〜ん!!」と即答。
3人は、缶ビールのぎっちり詰まったクーラーボックスを運転手に運ばせ、おつまみやサンドイッチを
詰めこんだバスケット籠を小脇に抱え、銀色に輝くセダンに乗って厳かにジャクサ入りしたのでありました。
そんな竹と梅との楽しかった日々をしみじみ思い出しながら、今回はジャランジャクサを語らせていただきます。
ジャランジャクサはサリナデパートとスカイラインビルの間の道を、まっすぐ200メートルぐらい行った
ところを左に曲がった道のことでございます。節約旅行を続けるバックパッカーに必要な、安宿、安レストラン、食堂、カフェ、
バー、旅行代理店、両替店、スーパーマーケットなどが軒を連ねております。残念ながら昔日の面影はなく、
今や西洋人のバックパッカーたちもほんのちらほらしか見かけません。ジャカルタが、
もともと観光地として魅力のない町である上、暴動、テロとたて続けに起こる事件で、バックパッカーはジャカルタ
なんかすっとばして、とっととバリやジョグジャに向かってしまうのです。元バックパッカーとして
後輩が育たないのは本当にさびしいことでございます、はい。
さて、今回久々にジャクサに足を踏み入れた松は、ノスタルジーにどっぷり浸るため、思い出のロスメンに
泊まることに致しました。思い出のロスメン、その名は「Tatol」。ロスメンというより、看板には昔からHostelと書いてございました。
昔と言うのは当然、松が現役バックパッカーのときでございます。何しろ私にとって感激なのは、18年もたった今でも
その宿が存在している、存続しているということでございます。18年前、とてもきちんとしたこぎれいな宿だったので、
宿泊したのでございますが、たぶんそれが今でも続いている要因でございましょう。昔は、普通の家を改造しただけの
2階建ての家屋でございましたが、今では4階建てのこじゃれた外観を持つ中堅どころの宿になっております。
Tatol Hostel 右が入口、左は併設のカフェ入口 部屋の中 部屋の窓からの眺め
しかし時間は確実に流れており、ダブルベッド、クーラー、水シャワートイレ付朝食込み の部屋が今ではRp105,000。
たしか昔はRp15,000でございました。レセプションに「昔のさぁ、常連なんだよ。まけてよ」と執拗に食い下がってみましたが、
ひ弱そうな若い衆に「Tidak.bisaaaaa」と言われ、すぐに値を下げてくれるバリの宿との違いを実感したのでございました。
部屋は清潔で、クーラーの効きもよく、スタッフはフレンドリー。これは今も昔も変わっておりませんでした。
さて、朝になりました。お楽しみの朝食。バックパッカーというやからは仕事をせずにぶらぶらしている連中ですので、
日常のわずかなことに喜びを見出します。そのひとつが朝ごはん。インドネシアの宿はたいてい朝食込みなので、それが
とてもお得に感じて嬉しいのと、貧乏旅行のはずの自分が、食うに困っていないことに余裕と優雅さを感じるのでございます。
私はその感覚を久々に感じました。朝食の内容は、けして豪華ではございません。まちがってもシャングリラホテルの
メインダイニングでの朝食ビュッフェなど思い浮かべないでくださいまし。
食堂にはまがりなりにもにも朝食メニューというのがございましたが、メニュー構成はたったの2行で終わっておりました。
Fried Rice or Toast with egg
Tea or Coffee
簡潔かつたいへんわかりやすいメニュー、もちろん外国人向けに使用言語は英語なのでございます。
併設のカフェで朝食 手前がToast with egg 奥がFried Rice
さて、いまどきの安宿街には必ずといっていいほど小さなスーパーマーケットがございます。18年前のジャクサには
ワルンしかございませんでしたが、今回はミニスーパー、ございました。インドマートとか、サークルカーとかの
コンビニサイズのスーパー。この中にひとつへんてこなものがございました。ジャカルタ在住13年の松が初めて
目にしたもの、それは壁にはめ込まれた高さ50p、幅と奥行き30ぐらいのアルミ製の棚。上部から5pほどのホースが
ぶら下がっております。なんじゃらホイと思い、店員に尋ねますと、アクア補充棚だそうな。なるほど、500ccから1ガロンまで
すっぽり入るサイズでございます。それにしても、ここまでジャクサにたむろうバックパッカーは節約したいのでありましょうか。
いや、いや、節約のためではなく、こういうことをおもしろがってしますのです、バックパッカーは。
スーパー店内 アクア補充棚
次に安宿街の顔、旅行代理店について述べてみましょう。ここジャクサにも、昔に比べれば
少なくはなりましたが、6〜7店舗はあるようでございます。ちょうどバリ行きをもくろんでいた松は、ジャカルタ→
デンパサールをさがしてみてもらったところ、南ジャカルタの旅行代理店が40万ルピア台でしか出せなかった
バタビア航空のチケットを、27万ルピアで取ってもらいました。大手の旅行代理店はバスや鉄道を扱いませぬが、
ここジャクサの代理店は、バスも電車も予約OK、飛行機もバックパッカー向けにかなりお安くゲットできるのでございます。
旅行代理店店頭
ジャクサの写真をご覧になって、みなさまはたぶんバリのクタやウブドゥを思い出されたかと存じます。
たしかに、代理店やレストランの並ぶたたずまいはバリのそれによく似ておりまする。外国人向けの観光地には一連の
パターンがあるのかもしれませぬ。
食事どころも、いかにも食堂っぽいところ、アジアンムードのカフェ、ディープな感じのバー、あやしいライブレストラン、
手軽な屋台と、いろいろ。お値段もスディルマンのレストランやブロックMのバーから比べると断然安うございます!
さぁ、いかがでございましたか〜、ジャランジャクサ!! 運がよけりゃ現役バックパッカーの若者や金髪美人とお友達になれますぞっ!
バックパッカーのたまり場といえども、バックパッカーじゃない外国人も、お金持ちの日本人駐在員も、
もちろん普通のインドネシア人も足を踏み入れてよいのでございます。貴殿も今度の週末、ジャクサツアーと洒落てみては
いかがでございましょ〜〜〜!
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