インドネシア電力事情

Java島 Bandung Selatan変電所(500kV Conventional Type)

電力設備の写真はこちらでご覧下さい。



1.電気事業形態

インドネシアの電力事業は、PT.PLN(Persero)という国有の有限会社が発電から販売までの一貫した事業を行っているが、これ以外の事業形態としては

  工業団地などの特定地域での発電、販売(例えばBukit Indah工業団地)
  上記+余剰電力のへの売電(現在は売電中止しているが、Chikarang Listrindo等)
  PLNへの売電を目的としたIPP(例えば地熱発電:Dieng, Salak, W.Windu 石炭蒸気発電:PaitonのPEC,Jawa Power)
  多目的ダムの発生電力のPLNへの売電(PO.Jatiluhur)
  工場やビルで発電、消費する自家発電
  協同組合などが実施する発電、販売(農村電化をKUDが行う例)

がある。

2.電気事業の今後の分割

  ジャワ島においては、PLNの発電事業はPJB1,PJB2と呼ばれる2つの子会社(99.5.5現在株式未公開)が行っており、今後、送電部門、配電部門のビジネスユニット化試行(JABETU,JEDU)を経て、マルチセラー、マルチバイヤー方式への移行が方針発表されている。この際、発電会社および配電会社はそれぞれ5社程度づつ、送電会社は1社と計画されている。
  ジャワ島(バリ島やマドゥラ島を含む)以外は引き続きPLNが一貫した事業を行う計画である。

3.一般電気使用者への情報

  1. 電気方式
      50ヘルツで220Vを標準としており、コンセントはC2形式
      地域により配電方式が各種あり、3相4線式、3相3線式、大地帰路単線式などがあり、電圧、コンセント形式が違う地域もある。なお、CALTEX社などの自家発では60ヘルツ、110Vを使用している例もある。
  2. 電気料金
      1998年5月にIMF、世界銀行の強い指導のもと、5月、8月、10月の3回に分けての段階的な値上げが発表されたが、5月の値上げ以降は社会混乱などによりその後の値上げが実行できず、現在PLNのホームページでもはっきりした電気料金表が示されていない。
      値上げ発表当時の新聞報道によれば,平均値上げ率は5月、8月、10月に20%(8月のみ18%に修正の大統領令あり)で計画されているという。その内容は,接続料金の大幅値上げと契約種類の変更などにより大幅値上げとなっていると考えられる。
      LISTERIK INDONESIA 1998年4・5月号8ページの表に示された各契約種類毎の中心値上げ率は5月分の値上げに関して最低23.93%、最大207.06%、total 62.93%となっている。
  3. No種類容量接続料金従量料金
    1.S-1-220VA-固定Rp.9800/月
    2.S-2250VA-200KVA14,000≦60時間 109.5, >60時間 167.0
    3.S-3≧201KVA15,500PEAK TIME K*98.0, OFF PEAK 98.0
    4.R-1250VA-2200VA11,500≦20KWH 109.0, 21-60KWH 121.0, >121KWH 149.5
    5.R-22201VA-6600VA17,000230.0
    6.R-3≧6601VA18,500310.5
    7.B-1250VA-2200VA16,500≦120時間 201.0, >120時間 155.5
    8.B-2 2201VA-200KVA19,000≦100時間 172.5, >100時間 155.5
    9.B-3≧201KVA16,500PEAK TIME K*165.0, OFF PEAK 165.0
    10.B-4臨時電力-最大900.0
    11.I-1450VA-13.9KVA17,000≦80時間 119.5, >80時間 116.5
    12.I-214KVA-200KVA 18,000PEAK TIME K*125.5, OFF PEAK 125.5
    13.I-3≧201KVA16,000PEAK TIME, ≦350時間 K*140.0, >350時間 140.0
    OFF PEAK 140.0
    14.I-4高圧 ≧30,00015,500135.5
    15.P-1250VA-200KVA 17,000184.0
    16.P-2≧201KVA16,500PEAK TIME K*121.0, OFF PEAK 121.0
    17.P-3道路照明-263.5

    接続料金はRp./KVA・月
    従量料金はRp./KWH(S-1は固定料金)
    PEAK料金係数K=1.2
    KEPUTUSAN PRESIDEN REPUBLIK INDONESIA Nomor 70 & 79 tahun 1998より抜粋

    次に電気料金請求書の見方を示します.(料金は旧料金のままです。)

    PLN電気料金請求表の見方 P.T. PLN (PERSERO)
    ジャカルタ&タンゲラン支店(1994年)

    営業所名: KEBAYORAN 住所: JL. SISINGAMANGARAJA 1 BL.F2/13
    お客様名: よろず OFFICE 住所: JL.JEND. SUDIRMAN KAV. 61-62
    配電設備番号 KB47 支払個所 PLN/JL. SISINGAMANGARAJA No.1
    管理番号 契約番号 グループ 契約容量 契約 単価 単価(Rp/kWh)
        コード (VA) 種別 Rp/kVA ピーク外 ピーク時 T.B. 街灯税
    03-1299-1091-1 CC1668364 0 2770k U3 5,180 178.00 240.50   3%
    メータ 読取り (ピーク外) メータ 読取り (ピーク時) メータ 電力消費量 (kWh)
    今回 前回 今回 前回 換算率 ピーク外 ピーク時 合計
    006339 006191 000796 000777 4000.00 592000 76000 668000
    電力量料金請求金額内訳 請求金額
    基本料金 電力量料金 印紙税 電力料金総額 街灯税 (Rp)
    A B C D E F
    14,348,600 105,376,000 2,000 138,002,600 4,233,230 145,342,890
    *)TTLB+2.25% 18,278,000   *)3,105,060    
          141,109,660    

    ※ 支払個所は,支店の営業所,銀行他。

     A: 基本料金 = 2,770kVA × 5,180 Rp/kVA = 14,348,600 Rp
     B: 電力料金(ピーク外) = 592,000 kWh × 178.00 Rp/kWh = 105,376,000 Rp
     B: 電力料金(ピーク時) = 76,000 kWh × 240.50 Rp/kWh = 18,278,000 Rp
     D: 電力料金総額 = 基本料金 + 電力料金(ピーク外) + 電力料金(ピーク時)
                 = 14,348,600 Rp + 105,376,000 Rp + 18,278,000 Rp
                 = 138,002,600 Rp
      *): TTLB = 電力料金総額 × 2.25% = 138,002,600Rp × 2.25% = 3,105,060 Rp
     E: 街灯税 = 電力料金総額 × 3% = 141,109,660 ×3% = 4,233,230 Rp

     F: 請求金額 = 電力料金総額 + 街灯税 = 141,109,660 + 4,233,230 = 145,342,890 Rp


4.電力の消費動向

インドネシアの電力消費量は、経済危機の影響を受けたにもかかわらず、特異な傾向を示しています。1997年までは公表されていますが、1998年実績および1999年計画は現時点独自調査データですので、取り扱いにはご留意下さい。

  1. 全社計画
        販売電力量は、1998年の62,236 → 64,000 GWh (2.8%増)
        購入電力量は、1998年の 3,633 → 2,804 GWh (22.8%減)
    であり、販売電力量はわずかながらも増加の計画です。この中でジャワーバリ系統の販売電力量は52,191→51,000 GWhと2.3%減となる一方、それ以外では実に29.4%増ということになります。IPPパイトンの試験運転中の受電を450 GWh見込んでいる以外の購入電力は 大幅減の計画です。
  2. ジャワ−バリ系統の実績と計画

     1996199719981999(計画)
    最大電力(MW)8,82210,0169,8769,805
    販売電力量(GWh) 46,828 52,533 52,191 51,000
    LoadFactor(%)70.9470.8771.0069.00

    エネルギー、最大電力とも1997年の実績には戻っていない。今年は大統領選挙に伴う生産活動の低下など需要予測が難しい状況があるので、計画面での評価は難しいが、97年、98年の実績を見る限りGDPが大幅マイナスであることが電力消費には現れていないということが言えると思います。

5. ジャワ島の送電系統の歴史

  ジャワ島における高圧送電線の歴史は,1922年に運転を開始した30 kV送電線が始まりである。この送電線は,西ジャワ州バンドンの北に位置するBengkok水力発電所と南バンドンのPlenganとLamajanを結ぶものであった。
  その後,70 kV送電線が1924年から運転を開始する。これは,ボゴール近郊のUbrugとKracakに建設した水力発電所から,ボゴールとジャカルタ向けに使用された。
  30 kVと70 kV送電線は,その後も,ディーゼルや火力などの電源建設に伴い長い間,使用されることになる。   1964年になると,150 kV 送電線が運転を開始する。この送電線は,Jatiluhur水力発電所(5× 25 MW)の電力を西ジャワ地区の電力系統に送るのに使われた。
  以降,電源の大型化に対応して,この電圧階級は全国に広まることになる。
  現在,30 kV送電線は,ジャカルタや西ジャワ地区の電力大消費地において70 kVに昇圧(大部分が改造)されている。このため,中部ジャワ,西ジャワにほほとんど存在せず,東ジャワに僅に残っている程度である。
  500 kV送電線は,電源のさらなる大型化に伴い,導入が計画された。
  最初の500 kV送電線は,西ジャワ西北端に位置するSuralaya石炭火力( 3,000 MW)とジャカルタ南部のGandul変電所を結ぶもの(1回線2ルート,亘長111 km)として,1984年から運転を開始している。
  さらに1987年には,東ジャワの発生電力を西ジャワ方面に送るため,東ジャワのKrian変電所からGandul変電所に至る,亘長733 kmの1回線500 kV東西線(北側ルート)が運開した。
  1993年には, 500 kV東西線(北側ルート)は,さらに東のPaiton石炭火力発電所まで連系され(全亘長901 km),これにより,ジャカルタ方面への電力の供給が増強されることとなったのである。
  Paiton火力発電所〜Gandul変電所間およびSuralaya火力発電所〜Gandul変電所間の500 kV送電線は,ジャワ島を東西に横断し,総亘長は1,012 kmに及ぶ。
  首都ジャカルタでは,1994年にKembangan変電所が運転を開始し,ジャカルタを取り囲む形で2回線鉄塔による500 kV送電系統が形成されている。
  現在,引き続き,500 kV系統を増強中であり,500 kV東西線(北側ルート)をもう1ルート建設中であり,1999年中には運転を開始する予定である。
  さらに,東ジャワのIPP火力発電の増強に対応するため,ジャワ島の南側で東西に連系する500 kVの南側ルートの建設に着手し,東側の区間(Paiton発電所〜Klaten変電所)については,2001年に運転を開始する予定である。
  南側ルートの西側区間(Klaten変電所〜Depok V変電所)も,1999年中には工事を着手する予定である。


参考資料
 (社)外電力調査会「海外諸国の電気事業 第1編」
リンク
 インドネシア国有電力会社 PT.PLN(Persero)

なお、電力事情に関連した質問、指摘事項などについては、小澤明夫までお願いします。

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